介護の仕事は、なんとなく「キツそう」というイメージが強くて敬遠されがちです。資格や経験がなくても採用されやすいことから、就職が決まらなかった時の最後の手段と考えている人も多いです。
しかし介護職は世間のイメージほど悪くありません。職種の幅が広くキャリアアップも可能です。介護職によくある誤解や、介護業界を目指す前の注意点について説明します。
介護職の高い離職率や低い給料は本当か?
介護業界の離職率は年々低くなっています。
厚生労働省の介護職種の離職率を見てみると、以下のグラフのように右肩下がりです。
数年前までは介護業界の離職率は高く、「できれば就職したくない業界」の代表格でした。しかし人手不足を深刻な問題と受け止めた業界による待遇改善によって、離職率は大幅に低くなっています。
特にサービス残業・長時間労働対策に力を入れるなど、従業員の不満解消に力を入れています。
職場やキャリアプランは豊富
介護業界には多くの企業が参入しており、介護の仕事をしている人にもさまざまなキャリアプランがあります。
介護福祉士やケアマネジャーの資格を取得してから転職で年収アップしたり、現場を離れて福祉用品メーカーの営業職に転職する方もいます。
ひとことに「介護施設」といっても、さまざまなサービス種別があります。
有料老人ホーム
デイサービス
グループホーム
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
訪問介護事業所
サービス付き高齢者向け住宅
病院
障がい者施設
介護業界は勤続年数が長ければ年収がアップするわけではないので、入社後に自分にあった職種を見つけて転職する人も多いです。
ただし稼げる仕事ではない(平均年収は280万)
介護福祉士・社会福祉士の平均年収は280万円(月給20万円+ボーナス2か月分)です。
給与を左右する要素は保有資格の有無があり、上位資格のケアマネジャー(介護支援専門員)なら年収400万円ほどになります。
※介護福祉士は、専門学校を卒業していなくても3年間の実務経験があれば受験できます。
介護の仕事だと高収入を得られない理由
介護施設の収入源は「介護報酬」です。利用者が1割負担し、残りの9割を市町村が払います。
収入の大半を税金に頼っているため、あまり儲からないどころか、自治体からの手当がなければ運営していけないことが多いです。
「稼ぎたい」というモチベーションがあるなら、不動産業界や保険金融業界などの営業職をおすすめします。
介護業界の将来性はある
介護の仕事は今後10~20年でなくなる仕事ではありません。
介護サービスを利用する高齢者の増加スピードは速く、団塊世代が後期高齢者になる平成37年以降は問題視されています。
また、平成12年度に約55万人だった介護職員数は、平成25年度には約171万人に増えています。少子化が進んでいる日本で介護ほど伸びている業界は少ないです。
介護報酬の根拠となっている「介護保険制度」は2000年4月にスタートしました。業界の歴史自体が浅いこともあり、需要はまだまだ伸びていきます。
未経験者におすすめの介護求人サイト
これから介護業界を選ぼうと思っている方には、介護専門の求人サイトをおすすめします。
施設ごとの「離職率」や「職場の雰囲気」を応募前に知ることができるので、『入社してみたら思っていたのとは異なる業務内容だった』というミスマッチを避けられます。
介護専門の求人サイトは有資格者のみの募集をしていることが多いですが、「かいご畑」は無資格・未経験でも応募可能な求人が多いです。