多くのエージェントは非公開求人が多いことを売りにしていますよね。会社によってことなりますが、概ね8割程度が非公開求人です。
求職者側としては非公開に対して何かと疑ってしまいますが、実はフリーターこそ非公開求人に応募すべきなのです。このページでは、企業が求人を非公開にしている理由について解説しています。
企業は採用コストを下げたい
どこの転職サービスを利用しても、それなりに待遇の良い求人を出すと応募が沢山集まります。
職種によっては、求職者の50%以上が上位10%の求人に応募することさえあります。人気のある事務職がその代表例ですよね。
関連:フリーターからでも就職しやすい職種は何?未経験から事務職に就く方法とは
うちの会社を例にすると、時給1500円で1~2名採用したいと思ってタウンワークの首都圏エリアに1カ月間求人広告を出したところ、200件以上の応募がありました。(一番目立たないA1フォーマットという枠で出しました)
200人分の履歴書をチェックして、面接を実施するのは10人ほどだったのですが、やはり労力が大きいわけです。
特に厳しかったのが応募者からの電話問い合わせです。応募者からの電話が沢山なると、お客さんからの電話が取れなくなることにも繋がりかねません。はっきり言って通常業務が進められなくなってしまいます。
中小企業が条件の良い求人を出すと、人手が足りないから募集しているのに人手が足りないという意味不明な状況になってしまうわけです。
もちろん大手ならOKというわけではないですけどね。どこの会社でも採用コストは甚大ですから、経費カットを図るために「非公開求人で採用した場合にのみ報酬を支払えば良い」というシステムは非常に魅力的なのです。
裏を返せば、非公開求人の中には応募が殺到する求人にありつける可能性が高いということです。
特定の性別・年齢だけを採用したい
企業側が採用する人材を20代だけに絞りたいと思っても、なかなか難しいのが現在の雇用事情です。雇用に関する法律があるため、求人の年齢制限や性別を限定した募集は原則として出来ません。
参考:厚生労働省:労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A
化粧品会社の美容部員のように女性しか出来ないようなことならともかく、会社の雰囲気を重視して女性だけを採用したいと思っても、国がそれを許してくれないわけです。
企業には「20代の女性のみを採用する」という本当の採用条件があったとしても、それを表に出すことはできません。求職者は自分が本当の採用条件に属しているのかどうか判断できず、履歴書を送って不採用になるしかありません。これって非効率的ですよね。
非公開求人のメリットがここにあります。
非公開求人を扱うエージェントが窓口になって「この企業は女性しか採用していない」「27歳までの男性を希望」と本当の採用条件を把握してくれますから、求職者にとっては効率的に就職活動ができるのです。
非公開求人はエージェントの収益の要
これが一番の理由かもしれませんね。リクルートエージェントでもDODAなどを見ていても、大抵のエージェントは8割程度が非公開求人ですよね。
求人情報は以下のような料金体系になっていることが多いです。
- 公開求人は月額固定費+成功報酬型
- 非公開求人は成功報酬型
非公開求人といっても、企業の公式サイトを見てみると中途採用者向けの要項が用意されています。
求職者が自分で応募してしまったら、エージェントは企業から報酬を貰うことができません。だから非公開求人とすることで『自社から応募した』という事実を作っているのです。
まとめると
ざっくりまとめると以下の3つです。
- 企業は応募の殺到をさけて採用コストを下げたい
- 企業は特定の性別・年齢だけを採用したい
- 非公開求人はエージェントの収益の要だから
効率的に就職活動をすすめるためには、エージェントの非公開求人を使わない手はありません。一般的な転職サイトのみで就職活動を進めているのであれば、一度エージェントを活用してみることをお勧めします。